記憶のしくみ・3つの大きな特徴

①「記憶には2つの種類がある」

人の記憶は、短期記憶(一時的に覚えている記憶)と長期記憶(ずっと覚えている記憶)の二つがあります。

脳は、長期記憶の中から必要な情報だけを短期記憶に一時的に呼び出します。また何かを長期記憶の中に収める時も、短期記憶を経由します。

しかし、あまりたくさんのことを同時に短期記憶としてもっておくことはできません。また、短期記憶は文字通り、すぐに忘れてしまうのです。

この脳の性質をうまく使うことが、暗記の鍵になるのです。

②「脳は「覚える」より「忘れる」が得意」

誰しも「暗記が苦手」「覚えられない」と悩んだことがあるのではないでしょうか!?

実は、脳は、覚えることよりも忘れるこのほうが得意なのです。

脳に記憶をたくわえるには、たくさんのエネルギーを必要とします。そのため、脳は、生きる上で必要のない記憶はどんどん消去していきます。

したがって、忘れることはごく自然のことと言えます。

その上で、勉強したことを定着させるには、集中して何度もくり返し、脳に情報を送らなくてはなりません。

最初はすぐに忘れても、何度もくり返しているうちに、必要なこととして記憶できるようになっていくのです。

効果的な記憶の仕方を多く知ることは、成績アップに大いに貢献するでしょう。

③「面白いと思えること、心が動くことは記憶しやすい」

脳は、シータ波という脳波が出ているときには記憶が定着しやすくなっています。

シータ波は、ワクワク、ドキドキしたりして、強い興味をもっているときに出る脳波です。このときは、くり返す回数が少なくても覚えられる状態になっています。

また、感情の動きが大きいときにも、ものごとを覚えやすくなっています。

楽しかった出来事や悲しい体験など、感情を動かされたことをよく覚えているのは、より強く脳に刻まれているからです。

このことも、うまく覚えることのヒントになりそうです。